作品名・作者名 |
あらすじ |
表 紙 |
感想文 |
おすすめ度・評価 |
『言葉の虫めがね』
俵万智(角川文庫) |
さすが言葉の職人と言わせるほど、現代の言葉遣いに対しするどい指摘をしている書である。それも批判的というよりは中立的で、時には現代語の方がいいのではという年寄り連中から文句をいわれそうなことを、平気で述べているところも面白い。ただ後半は自分の専門である短歌の鑑賞ばかりで、本来の方向性を見失ってしまったところがもったいない。
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『「分からない」という方法』
橋本治(集英社新書) |
正直、筆者の自慢話に終始している印象を受けた。結局のところ「分からない」というものがどういうことなのか、明確な解説のないまま読み終えてしまった。
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『図解雑学 哲学』
貫成人(ナツメ社) |
古代ギリシア哲学から近代哲学、そして東洋哲学まで非常に分かりやすく解説している書。見開きページで、片方は図解という形式も初心者にはありがたいものだ。ちょっと哲学に触れてみたい人にはお勧めの一冊である。
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『風景の発見』
内田芳明 (朝日新書) |
この書はまず「風景」と「景色・景観」の言葉のニュアンスの違いの説明から、日本人が絵画・文学の中にいかにして「風景」というものを見いだしていったかを解説したものである。内容的には、作品を引用しながら説明してくれるのでなかなか分かりやすく興味深いことも書いてあるが、全体的には単調で、どこに重きを置いているのか分からない印象を受けた。
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『13ヶ月と13週と13日と満月の夜』
アレックス・シアラー (求龍堂) |
これは出版社よりいただいたパイロット本で、出版に先駆けてモニターとして読ませてもらった本なので、あらすじなどは書けないが、簡単に言うと魔女に自分の体を盗まれるという、わりに若年層向けの本である。しかし、随所に哲学的な発言が含まれており、深く読み取ることも可能なものであった。ただストーリーだけで言うと、多少ありがちで、結末もあっさりしすぎている気がした。発売予定は5月だそうだ。
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『時代を読みとく最新時事 キーワード 2004年度版』
ゼネラル・プランニング・センター編 (高橋書店) |
これは2002年の時事キーワードを解説したものであるが、一つ一つの項目がコンパクトに要点を整理してあって、非常に読みやすい。特に小論文・作文を書く学生にはもってこいの書。また一般の人でも教養として時代性を読み解くのには便利である。ただなぜ2004年度版なのか謎……。
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『いもうと物語』
氷室冴子(新潮文庫) |
小学4年生のおてんばで多少我が儘な女の子チヅルが、家族や親類、そして学校での友達や先生との関係の中で、自分に正直にのびのびと生活している様子をコミカルに表現した物語である。
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この書は何となく名前を聞いていたものであったので読んでみたが、最初の印象は「ちびまる子ちゃん?」というものであった。非常に内容的にも、主人公の設定も類似していて、これなら日曜日にテレビで見ても一緒だなという感じである。特にいいなぁーと思えるところもなく、日常をごくごく当たり前に物語にしたという内容であった。
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『山の郵便配達』
彭見明・大木康訳(集英社) |
この書は映画化された「山の郵便配達」含む6編の短編小説を集めたものである。全体を通して「田舎vs都会」という構図を読み取ることができ、その狭間に置かれる人間模様が描かれているが、何となく中途半端という印象を受ける内容であった。その余韻が良いという人もいると思うが、僕にとっては余韻を残すにしても、もう少し含みのある作品であってほしかった。
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『異文化理解』
青木保(岩波新書) |
混沌とする世界情勢の中で、現在が抱える最も重大な問題がイラクと北朝鮮の問題であろう。これらの問題の根本にある原因の一つは、互いの文化を理解していないということがあげられると思うが、そのような「異文化理解」というものをどのようにすればよいのか、またその際の問題点は何かということを、著者の経験などを通して語った書物がこれである。一つ一つ挙げられる例が非常に分かりやすく、特に著者のタイでの修業経験などは興味深く読める。そして異文化に対する認識が、いかに乏しかったを痛切に感じたと同時に今後、世界をどのように見ていけばよいかという一つの道しるべになる1冊である。
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『読書からはじまる』
長田弘(NHK出版) |
本そして読書とはいかなるものか、そしてその重要性は何か、ということを丁寧に分かりやすく説明した書である。しかしながら、それほど目新しいことを述べているわけでもなく、ごく当たり前というような内容であった。また同じようなことの繰り返しが多く、多少無駄な印象を受ける。ただ読書をあまりしなくなった若い世代の人にとっては、いい書ではないだろか。
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