古代エジプト出土品の返還


最近の新聞や雑誌紙上に、古代エジプトの貴重な出土遺品の返還に纏わる記事が 多く報道されていました。

ルーブル美術館の 「 古代エジプトのステラ 」 や ニューヨークメトロポリタン 美術館の 「 エジプト王のナオス 」 など エジプト政府に返還されました。
一方、大英博物館の 「 ロゼッタ・ストーン 」 や ベルリン新博物館の 「 ネフェルティティの胸像 」 など、 エジプト政府は 各国の ” エジプトからの 出土品 ” の返還を求めています。

そこで それぞれの出土品が 誕生した年代 の順を追って取り上げてみました。


◎ アメンエムハト1世のナオス (約4000年前) ◎

ニューヨークのメトロポリタン美術館は、古代エジプト王アメンエムハト1世の 「 ナオス ( 祠堂) 」 の礎石を 某収集家から買取り、近くエジプト政府へ 返却すると発表しました。
これは、エジプト南部ルクソールのカルナック神殿にあるプタハ神殿に残るナオス の基礎の一部で、赤色花こう岩の板状に、古代エジプト文字4文字が刻まれて います。

右写真 : アメンエムハト1世の 「 ナオス 」 の基礎の一部です。


◎ 王妃ネフェルティティの胸像 (約3400年前) ◎

ベルリン新博物館 に 目玉展示されている約3400年前の古代エジプトの 「 王妃ネフェルティティの胸像 」 を巡り、エジプト考古最高評議会が、 「 ドイツの取得方法に問題があった 」 と返還を求める意向を発表しました。   しかし、現在 ドイツ側は 返還を拒否しています。

王妃ネフェルティティは、エジプト王国時代の第18王朝のファラオ アクエンアテンの正妃で、有名なファラオ ツタンカーメンの義母にあたります。
また、ネフェルティティという名前の意味は、 ネフェルティ ( 美しい者が ) ティ ( 訪れた ) を表して、古代エジプトの美女の一人と言われています。

右写真 : 謎を秘めた美しい 「 王妃ネフェルティティの胸像 」 です。


◎ 古代エジプトのステラ (約3000年前) ◎

フランスのサルコジ大統領は、ルーブル美術館に収蔵されている 「 古代エジプト のステラ (石碑) 」 を エジプトのムバラク大統領に返還しました。
この ステラ は、 エジプト・ルクソールの 「 王家の谷 」 にある、約3000年前の エジプト王朝の貴族 「 Tetiky 」 の墓の壁画からはぎ取られ、フランスに 持ち去られていたものだそうです。

右写真 : ルーブル美術館からエジプト考古最高評議会に返還された 「 ステラ 」で す。


◎ エジプト文字のロゼッタストーン (約2200年前) ◎

エジプト考古最高評議会が、古代エジプト文字の解読のカギとなった 「 ロゼッタス トーン 」 を エジプトに返還するよう、大英博物館 に要求しました。

紀元前196年のものとされるロゼッタストーンは、 最初にトマス・ヤングが ファラオ名など固有名詞の解読に成功し、 ヤングのアプローチをヒントに、 最終的にフランソワ・シャンポリオンによって解読されました。
その文章は、3種類の紀元前の文字で書かれ、最後の文字が古代ギリシャ語た そうです。

右写真 : 大英博物館 で展示されている 「 ロゼッタ・ストーン 」 です。


今、 古代エジプトを甦らせる出土遺品たちは、世界各地で大勢の人たちに夢を与えて います。
しかし、 「 ナオス 」 も 「 王妃ネフェルティティの胸像 」 も 「 ステラ 」 も 「 ロゼッタストーン 」 も 生まれ故郷に帰りたいと願っているかも知れませんね !


「 海のエジプト展 」 のページです。  どうぞ ご覧ください !


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