私の勤める会社のイメージカラーは ”濃紺” です。 ――――と言う
ように ”青” には 基本色名以外に、
”水色” (みずいろ)や ”空色” (そらいろ)と呼ばれる淡い色調のもの。
”紺色” (こんいろ)や ”藍色” (あいいろ)、 ”群青色” (ぐんじょういろ)
と呼ばれる濃い色調のもの。
など、 青色でも 多くの色合い があります。
これら種々ある ”青色” で、独自の ”青” を確立した画家が二人います。
日本では 「 青の巨匠 」 と言われた 「 東山 魁夷 」 画伯でり、
海外では 「 天空の色 」 (ウルトラマリン・ブルー)
が美しい 「 ヤン ・ フェルメール 」 画伯です。
○ 魁夷の青 ○
全作品1,260点の内、 ”青” を基調にした作品を数えると、
約470点あるそうです。 即ち、約4割が 「 青い絵 」 となります。
ひとくちに ”青” といっても、その色調の幅は広く、特に魁夷の青は
画面全体が 「 静寂な光を内に含めた清冽な透明感をもった ”青” 」 と
いわれています。
その作品は、 常に青くかすむ黎明や薄暮 或いは 霧や霞のかかった情景であり、
そこに潜む青の深さを 私たちに感じさせるのです。
その代表作には 「 月宵 」 や 唐招提寺障壁画の 「 山雲 」 、
「 濤声 」 などがあります。
これらの作品の主調色は ”青” や ”青緑色” そして ”青紫色”
で構成され、まさしく 「 青の巨匠 」 といわれる所以です。
右写真 : 私の好きな 「命の輝き」である白馬を モチーフにした
「 白馬の森 」 の ”青” を どうぞご覧下さい。
○ フェルメールの青 ○
フェルメールの代表作 「 牛乳を注ぐ召使い 」 に見られる ”青” は、
空と海の ”青” を別にして、自然界で出会うことはめったにない
といわれる 「 美しい青色 」 (深い紺碧色のウルトラマリン・ブルー)
と言われています。
こんな意味からフェルメールの ”青” は、人間からもっとも
遠い色であり、 「 天空の色 」 と表現される所以です。
現存するフェルメールの数少ない作品36点の内、25点の作品に
この独特な清涼感溢れる ”青” が使われているそうです。
そして、この ”青” は 17世紀オランダの繁栄を象徴する幸運の色で
あったと 今も伝えられています。
右写真 : 私の大好きな 真珠の耳飾 も美しい 「 青いターバンの少女 」
を どうぞご覧下さい。
○ おまけの青 ○
@ 色彩学上でも、 ”青” は、空 とか 海 とか、 本質的に日常性から
遠ざかる性質を持つ、崇高な精神に深く関わる色と言われています。
( 例えば キリスト教絵画のマリアの衣 など )
A 日本の伝統色(青系)
青墨 (あおずみ) 、 濃藍 (こきあい) 、 紫苑色 (しおんいろ) 、
青黛 (せいたい) 、 千草色 (ちぐさいろ) 、 深縹 (ふかいはなだ) 、
深緑 (ふかみどり) 、 藤色 (ふじいろ) 、 二藍 (あたあい )、
虫襖 (むしあお) 、 緑青 (りょくしょう) など があります。
B 海外の色名称(青系)
Navy. Blue. Steelblue. Aqua. Dodgerblue. Royalblue. Skyblue.
など 濃い順に並べてみました。
C マンセル標準色彩表で見る ”青 ”には、 紫 から 青 にいたる
”紫青” 、 そして ”緑 から 青 にいたる ”緑青” の系列が あります。
右写真 : ”青” を 中心とした 「 マンセル色彩表 」 の一部分です。
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