私の好きな 画家 「 東山 魁夷 」 は、明治41年(1908)生まれ、
東京美術学校を修了し、ドイツ留学を経て 帝展などに作品を
発表していました。
戦後は、風景画家としての独自の画風を確立し、自然を主題に 「 生 」 の
営みを描いた作品 を多く発表しました。
後年、 祈り の風景 といわれる 「 唐招提寺御影堂の障壁画 」 などに
よって、日本画界に大きな足跡を残しました。
平成11年(1999) 90歳で逝去されました。
長い制作活動のなか、 昭和47年(1972)に 「 心の願い 」 の象徴で
あるという 「 白馬 」 が、突如として 風景画の中に描かれました。
人間の生への願望 を描くことは 祈ること。――――
その作品に纏わる 私の思い出 を 綴りましょう !
楽しくシャンソン を歌うことは 祈ること。――――
○ 生命の輝き (T) ○
東山 魁夷は、 「 ある時、一頭の 白い馬 が、私の風景の中に、
ためらいながら、小さく姿を見せた。 すると、その年に描いた18点の
風景の全てに、小さな白い馬が現れたのである。 」 と、記述して
います。
画伯 の描く風景には 普通、 人や動物などの点景は登場
しませんでしたが、突如 風景の中に 白馬 が描かれたのです。
その 白い馬 は、四季の静寂な風景のなかで、あくまでも小さな
点景として かすかに動くもの、すなわち、「 生命の輝き 」 としての
存在であったのです。
” 心の願い、祈り ” であるという 小さな 白馬 は、 その風景に深く
溶け込むように 私の記憶に 強く残っていました。
右写真 : 東山 魁夷 の 「 緑響く 」 では、 大きく深く息づく森
を背景に、 ” 心の願い である 白馬 ” が佇んでいます。
○ 生命の輝き (U) ○
私は10年前に 「 心臓動脈バイパス手術 」 を受けました。
7時間に及ぶ心臓手術の後、手術室から集中治療室に移動し、手厚い
看護を受けました。
生命維持装置など と 配線・配管が交差する治療室で、深い眠りにつき、
風に靡く絹布に描かれた 緑濃い美しい森 の 幻覚 を経験しました。
その情景は、 ” 青の巨匠 ” と呼ばれる東山 魁夷の 「 白い馬の
見える風景 」 そのものでした。
森の木々は、風に揺れ、それが映る湖面も波立っていましたが、
不思議と静寂な世界でした。
情景の中心には 白く淡い光の玉魂(?)が微かに揺れ動いていました。
( それが 「 白い馬 」 だったのでしょうか )
そこに 白い玉魂 は 間違いなく存在しましたが、 私を招く 人影 は
見えませんでした。 それが運命かも ・・・ ?
右写真 : 幻覚に現れた情景を思わせる 東山 魁夷 の 「 緑の詩 」 です。
幻覚に現れた白い馬 ( 白い玉魂 ) は、 私の 「 生命の輝き 」 であった
と思います。 この運命を大切にしなければなりません !
芸大教授に 健康のためには、腹式呼吸法が最高の手段であると教えてもらい、
その後、カルチャーセンターで 楽しく 元気にシャンソンを歌っています。
ブラボー ! !
♪ 素晴らしい絵画 や 素敵な音楽は 人生を豊かにしてくれますネ ! ♪
東京近代美術館で開催中の
「 生誕100年 東山魁夷展 」
に 是非行ってみたいと思っています。
そして 会場にある 生命の輝き 「 緑響く 」 や 「 緑の詩 」
を 直接 この眼で眺め、私の命の輝き を確認したい
のです ! !