国宝 一遍聖絵 展(1)

国内最古の絹本著色絵巻


一遍聖絵(一遍上人絵伝)は、国内最古の絹本著色絵巻です。
総長は約130mで、一遍の誕生から51歳で亡くなるまでの遊行の足跡が描かれて います。
一遍の弟子の聖戒が詞書を、画僧の円伊が絵を担当し、1299年に 完成しました。  美術品としての価値に加え、一遍の没後から10年以内に制作 されていることから、鎌倉時代の人々の生活や景観を伝える歴史資料としても 高く評価されています。
この絵巻 「 一遍聖絵 」 全12巻 が、時宗総本山遊行寺宝物館で公開されています。 (11月16日まで)

右写真 : 一遍聖絵展の入場券 (第12巻第3段1を背景) です。


◎ 僧善人に伴われて出発する随縁(一遍上人) ◎

延応元年(1239年)、一遍上人は伊予(愛媛県)松山で生まれました。  生家は河野水軍です。 10歳で母と死別し、出家して随縁と名のったのです。
建長3年(1251年)春、九州大宰府の聖達上人のもとへと旅立とうとしています。  一遍上人13歳です。 右の一遍上人の生家より、父・通広(出家して如仏)を はじめ大勢の者たちが見送っています。

右写真:一遍聖絵 第1巻第1段2 の図です。

次号から 「 一遍聖絵 」 を逐次掲載する予定です。  乞うご期待 !


一遍上人
延応元年(1239年)伊予国(愛媛県)久米郡の豪族、別府通広(出家して如仏)の 第2子として生まれる。 幼名は松寿丸。 生まれたのは愛媛県松山市道後温泉の 奥谷である宝厳寺の一角といわれ、元弘4年(1334年)に同族得能通綱によって 「 一遍上人御誕生舊跡 」 の石碑が建てられている。
時宗の開祖。 「 一遍 」 は房号で、法諱は 「 智真 」 。 一は一如、遍は遍満、 一遍とは「一にして、しかも遍く(あまねく)」の義であり、南無阿弥陀仏を一遍 (一度)唱えるだけで悟りが証されるという教義であり、智は 「悟りの智慧」、 真は 「御仏が示す真」 を表す。
「 一遍上人 」 、「 遊行上人 」 、「 捨聖 」 と尊称される。
  (以上、資料より抜粋)

右写真 : 一遍上人像 (紙本墨画淡彩) です。


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