難しい漢字

秘 鑰 (ひやく)


最近、こんな漢字 「 秘 鑰 《 に出会いました。
無学文盲の私には、到底読むことも その意味も分かりません。 残念でなりません。


◎ 秘 鑰 ◎

「 恋愛は人世の 秘鑰 なり、恋愛ありて後人世あり、恋愛を抽き去り たらむには人生何の色味かあらむ 《  ( 以上、北村透谷の作品より )
この書き出しで詩句を発表したのは、 詩人の北村透谷 で 明治25(1892)年のことです。
秘鑰 とは、秘密の蔵を開ける鍵のことで、 恋愛をしないと人生の妙味はわからない。   と 明治の文人が言いきっていたのです。
当時、人々は 欧米から入ったばかりの ”LOVE” の概念に戸惑い、恋愛という訳語をあてた ばかりの時代だったのです。

現代では、テレビドラマ、映画、小説が、恋愛へのあこがれをたたえています。  しかし、 先日の内閣府の意識調査で、20~30代男女の4割が、 「 恋人は欲しくない 《 、 「 恋愛が 面倒だ 《 と答えていました。
自然現象も社会現象もなにか歯車がかみあっていないようです。  あぁ 嘆かわしいこと です。

右写真 : 隷書体の 「 秘 鑰 《 (ひやく) です。


◎ 北村 透谷 ◎

詩人 北村 透谷 についてウイキペディアで調べてみました。
北村 透谷(明治元年11月16日 - 明治27年5月16日) は、日本の評論家・詩人。  明治期に近代的な文芸評論をおこない、島崎藤村らに大きな影響を与えた。
相模国足柄下郡 (現小田原市) で没落士族の家に生まれた。 本吊は北村門太郎。  両親とともに上京し、東京の数寄屋橋近くの泰明小学校に通った。 ( のちの筆吊・透谷は 「すきや《 をもじったもの )


右写真 : 北村 透谷 です。


日本人でありながら一度も出会ったことのない漢字が沢山あるとに気づき 調べてみました。
そこには外国語より難解な漢字が沢山ありました。  その一部を書き出しました。

  猗靡 (いび)
    ①うるわしい。 ②女性がしなやかで美しいさま。たおやか。 ③風になびくさま。
  岐嶷 (いこよか)
    ①きびしく立派なさま。 ②背が高く堂々としているさま。
  氤氳 (いんうん)
    ①万物の源泉をなす気が盛んなさま。 ②天地の気が盛んなさま。 ③活力が盛んなさま。
  奭懌 (せきえき)
    ①大いに喜ぶこと。 ②楽しくて快いこと。
  秉彝 (へいい)
    ①人の道を固く守る。 ②天から与えられた正しい道を守る。
  鬱悒し (いぶせし)
    ①恋しくて、待ち遠しくて気分が晴れず、悶々とする。
  愨愿 (かくげん)
    ①まじめで素直なこと。 ②慎み深いさま。

書けず、読めず、意味も理解できない言葉ばかりです。
私たち現代人に 欠けた風情の言葉 かも知れませんね。 


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