” フェルメール作 ? 「 聖プラクセディス 」 西洋美術館に常設展示 ”
聖プラクセディス は、こんな見出しで報道されていました。
数少ないフェルメール作品は 常に真贋問題が話題になります。 今回も
「 フェルメール作 ? 」 と疑問符が付けられています。
(以下、S紙より一部抜粋)
フェルメールの作品との説がある 「 聖プラクセディス 」 (1665年) が、17日から
国立西洋美術館で常設展示されている。
世界に三十数点しか作品が現存しないといわれるフェルメールだけに、真筆か否かの
議論も相まって注目を集めている。
◎ 「 聖プラクセディス 」 ◎
古代ローマの聖人を描いたこの作品は、画面に残された署名と年紀から、若き
フェルメールが17世紀イタリアの画家 フェリーチェ・フィケレッリ の同名作品
を模写した最初期の作とする見方があります。 しかし、署名の解釈などをめぐって
疑義を唱える研究者も多いようです。
(以下、S紙より抜粋)
昨年7月にロンドンでフェルメール作として競売にかけられ、手数料込みで
約10億8600万円で落札された。
国立西洋美術館によると、落札したのは日本人で、同年秋に寄託の申し出があった
という。
競売に際し行われた科学調査では、鉛白(白色の顔料)の成分が、フェルメールの別の
初期作品で用いられた鉛白の成分と極めて類似していると結論づけられたという。
しかし、フェルメールの真筆と立証するには不十分とされる。 同美術館は 「作者が
フェルメールであるかどうかについては研究者の意見の一致をみていない」 ことから、
展示にあたっては 「フェルメール作」 ではなく 「フェルメールに帰属」 と表記。
「 美術ファンや専門家に実見・検証の機会を提供することで、今後議論が深まれば 」
としている。
右写真 : ” フェルメールに帰属 ” とされる 「 聖プラクセディス 」 です。
◎ フェリーチェ・フィケレッリの 「 聖プラクセディス 」 ◎
17世紀のイタリア人画家 フィチェレッリは、古代ローマ時代の「 聖人プラクセディス 」
を描いたといわれています。
この 聖プラクセディス は、聖プデンス の娘で 初代教会時代の伝説上の殉職教女
で、 聖ポテンティアナ とは姉妹です。
姉妹は、迫害された聖人たちを看護い、迫害によって死んだ大勢の信者を埋葬した
と伝えられています。
聖プラクセディスの目印は、殉教者の血を浸したと言う 「 海綿 」 で、姉の
聖ポテンティアナの目印は、殉教者の血を浸して持ちかえった海綿を絞ったと言われる
「 水盤 」 です。
右写真 : フェリーチェ・フィチェレッリの描いた 「 聖プラクセディス 」 です。
フェリーチェ・フィチェレッリの描いた 「 聖プラクセディス 」 は、手に十字架
を持っていませんが、フェルメール作といわれる 「 聖プラクセディス 」 の手には
十字架を持ち 殉教者の血を絞り出す様子が窺われます。
「 十字架 」 一つで、その画家の心情を垣間見ることが出来ます。
NHKドラマ 「聖女」 にもこの 「 プラクセディス 」 が登場していたそうですね。