◎ いま甦る ◎
太平洋戦争終結からわずか5カ月後の昭和21年1月14日 佐渡島の小さな村に、
イギリス軍の要人機 ダコタ
(ダグラス DC-3) が不時着しました。
その実話をもとに、5か月前までは敵国だった相手に手をさしのべ、
再飛行させた人間愛を描いた 「 飛べ! ダコタ 」
が映画化されました。
未曾有の災害や領土問題など深刻化する現在にあって、“ 絆 ” と ” 再生 ”
をテーマに、67年前の実話が甦ってきたのです。
右写真 : 不時着した ダコタ です。
◎ 佐渡ん人間( さど ん もん ) ◎
佐渡島北西部の旧高千村の海岸に、中国上海から東京に向かう途中、悪天候
で ダゴタ は、狭い海岸に不時着しました。
村民たちは、鬼畜米英と憎んでいた敵機をみてその対応に苦慮しました。
降り立ったイギリス兵を案じて、真っ先に駆けつけたのは村長の娘さん、
そして娘を空襲で亡くした警防団長など、それぞれ境遇の違った村民でしたが、
村長の 「 困った者を助けるのが 佐渡ん人間( さどんもん ) 」
という言葉で、機体の引き上げから 機体の修理など協力を
始めました。
破損した翼を特殊針で上手に縫えないイギリス兵に、身振り手振りで教え、
彼らも 手を合わせて 「 サンキュウー 」 と答えるようになりました。
右写真 : 引き上げられた ダコタ です。
◎ 飛べ! ダコタ ◎
映画では、イギリス兵8名と村民との40日間に及ぶ交流が描かれ、村民が
言葉や文化の壁を超えて、イギリス兵たちを救おうとする姿を追っています。
海岸に長さ500メートル、幅50メートルの滑走路を作ることになりました。
滑走路用の石運びをした3000人のうち600人は子供たちで、わら草履を履き
寒さで鼻水を垂らしながら指先に息を吹きかけて黙々と石を運びました。
鬼畜米英と憎んでいたイギリス兵は、 紳士的で敵味方の気持ちには、
ならなかったと村民たちは語っていました。
そして滑走路は、無事完成し ダコタは見事に飛び立ち
ました。 ブラボー !
右写真 : 修復されたダコタと村民たちです。
◎ 真実の絆 ◎
半年足らず前は敵対していた両国民が厳寒の地で対立する姿は、想像する
ことも容易くありません。
言葉や文化の違いもあり、お互いに理解し協力するまでに至る道のりは、
きっと 「 佐渡の人間 (さどもん) 」 という土地に根付く精神の存在が
あったからでしょうか ?
千代子と健一、健一の母と義春の母、村長と団長など、同じ村に住む者でも
その立場は真っ向から違っています。
そんな環境で協力出来たのは 困った者を助けるのが 「 佐渡の人間 (さどもん) 」
の教えがあったからでしょうか ?
右写真 : 対立した 村長 と 消防団長 もいつしか !