唯 我 独 尊


周囲から ”悪い意味での” 「 唯我独尊 」 だと言われて 久しい 私 です。
即ち、 「 お前は、相手のことを考えず ひとりよがりだ。 」 と言われているのです。
しかし、このような使い方でなく、 本来は もっと深い高尚な意味があります。
改めて 「 天上天下唯我独尊 」 の意味を理解し、有意義な人生を過ごしたいと思います。


◎ 天上天下唯我独尊 ◎

今から約2500年前、生れたばかりの お釈迦さま は、四方に七歩あるき、右手を上げて 天を指し、左手を下げて地を指して 「 天上天下唯我独尊 」、 即ち、 「 全世界 (宇宙) の 中で、ただ私一人が尊い存在である。 」 と 説かれました。

いくらお釈迦さまとはいえ、少々傲慢すぎるのではと思われる人もいるかも知れません。 しかし、それは誤解で、この言葉はお釈迦さまに限らず、すべての人間の本能が尊いという ことを説いています。
そうです !   一茶 の句にも 「 筍も名乗るか唯我独尊と 」 があるように、  ” 生きているものの尊さ ” を説いた言葉なのです。

右写真 : 某氏が揮毫した 「 天上天下唯我独尊 」の色紙です。、


◎ 私 と 小鳥 と すず と ◎

今、話題の天才童謡詩人、金子みすず (1903~1929) さん の有名な詩に 「 私と小鳥とすずと 」 があります。

   わたしが両手をひろげても、 お空はちっともとべないが
   とべる小鳥はわたしのように、地面をはやくは走れない
   わたしがからだをゆすっても、 きれいな音はでないけど
   あの鳴るすずはわたしのように、 たくさんな歌はしらないよ
   すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい

世の中で、みんなそれぞれにお互い自分というのは、かけがえのない尊い存在であり、 かけがいのない 尊い命 であるということと理解しました。
これこそ、本当の 「 唯我独尊 」 の教えなのです。

右写真 : 童謡詩人、金子みすずさん です。


私たちの 苦悩 は、 「 ONLY ONE のすばらしさ 」 を忘れ 、 他人との比較にだけに なることから起こります。
そして、同時に 「 自分さえよければという我欲 」 に溺れてしまうことから、 苦悩 は 始まります。
だから、私は ”良い意味での” 「 唯我独尊 」 の教え を大切に生きていきたいと思います !


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