白旗の少女


テレビ東京 開局45周年記念ドラマとして 「 白旗の少女 」 が 放映されることを知りました。
”白旗を掲げた少女” の写真 を何回か目にしていた私は その原作を 一度読んでみたい衝動に 駆られました。
早速、書店で 「 白旗の少女 」 を入手しました。  私と 同時代の苦難な道を歩んだ 著者 比嘉 富子氏の戦争に対する思い と 挿絵画家 依光 隆氏の凄まじい迫力を味わうことが 出来ました。
その後、ドラマ 「 白旗の少女 」 を改めて拝見し、出演者の名演技とともに より強い感銘 を受けました。


◎ 白旗の少女 ( 青い鳥文庫 )◎

1945年5月から6月にかけて著者 ( 比嘉富子さん ) 自身が7歳の時に体験した壮絶な記録 ( 太平洋戦争が終わる直前の沖縄での出来事 ) として著されています。

両親を失った4人兄弟姉妹が 敵攻撃を避けるため、首里から南方面に逃亡を続けます。
途中、流れ弾による兄の悲惨な死、混乱に紛れて 姉妹3人の離散、富子さんは1人ぼっちに なってしまいます
蟻さん や 兎さん と友達になったり、さまざまな人と出会い、 最後は 優しい老夫婦に に助けられ 「 白旗の少女 」 となって 米軍に投降し、生き残った姉妹と収容所で再会を 果たします。

それにしても子供たちが戦争という極限状態の中でどのように生き延びたのか?
苦しいとか 悲しいとかを超えた死の極限状態を思うと 甲府空襲を経験した同年代の私は、 大きな 天の助け があったのでしょうか ?

右写真 : 「 白旗の少女 」  ( 青い鳥文庫 ) の表紙です。


◎ 白旗の少女 ( テレビ東京制作 ) ◎

「 白旗の少女 」 は、32年前、偶然に入った洋書店で、白旗を掲げた自分の写真と 巡りあった比嘉富子さんが、書いた 実体験の物語 です。
これにより幾多の誤解も解けたこともあったそうです。 本当に戦争は恐ろしいことです。

ドラマでは、原作に基づき、戦争を少女・富子の目線で追い、ドキュメントタッチで 描いていきます。
7歳の少女が白旗を掲げ、アメリカ軍のカメラマンの写真に写りました。少女は、 ずり落ちるモンペを気にしながら、笑顔で手を振っています。
第2次世界大戦末期、沖縄では住民を巻き込んだ地上戦が展開されました。
県民の犠牲者は約15万人以上で、実に4人に1人が亡くなったと言われています。
( 以上、テレビ東京 解説より抜粋 )

文章から想像する場面 と テレビ画面 の隔たりは、それぞれの考えはあって然るべきと 思います。
それを補ったのは、菅原文太、 倍賞千恵子さんなど 各俳優の真剣な演技でした。
特に 「 白旗の少女 」 役を演じた子役 ”八木優希ちゃん” は、その時代考証をスタッフ から幾ら説明されたとしても理解することが難しかったと思いますが、一生懸命に 富子役を演じていました。  ブラビー!

右写真 : テレビ画面と実記録の 「 白旗の少女 」 を並べてみました。


感想 :
1945年沖縄戦当時、私は 小学2年生 8歳 でした。
甲府空襲については、夜空のB29 や 焼痍爆弾による炎上 など スチール写真のように 部分的な記憶としてかありません。
戦争という事実を 真摯に受け止められなかったからでしょうか ?

沖縄戦当時の1945年、7歳の 比嘉富子さんは、「 忘れてしまいたいが 真実を忘れてはいけない 」 と、思っていたそうです。
”命の物語” として発表するまでには、幾多の問題が生じ 難しい局面もあったそうです。
そこを乗り越え発表した熱意に頭が下がる思いです。


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