日食 アラカルト


2009年7月22日は、 観測の為、2万人の日本人が移動したという 48年振りの 「 皆既日食 」 の話題で賑わいました。
宇宙で展開するロマンチックな現象である 「 皆既日食 」 を アラカルト風に 取り上げてみました。


○ 専門家の日食 ○

皆既日食は、 太陽、月、地球がほぼ一直線に並び、地球から見た月が 太陽をすべて 覆い隠す現象のことです。
今世紀に継続時間が6分を超える皆既日食は4回あり、 今回は最長の6分39秒です。
日本の陸地で皆既日食が観測できるのは、1963年7月21日 (北海道で観測) 以来で、 次回は2035年9月2日に北陸、北関東で観られます。

今回は 硫黄島近海で 午前11時半ごろ太陽が完全に月に隠れ、 夏空が夜のように暗くなり、 最初に金星が姿を現しました。
この時、 国立天文台チームは 船上の機器で、太陽の外側に広がる薄いガスである コロナ ( コロナの温度が1〜200万度と推定されていますが、 太陽表面温度は 約6000度しかありません。 ) の観測に成功しまし。

右写真 : 皆既日食で観測されたコロナです。


○ 私の日食 ○

1ヶ月も前から 「 遮光板 」 を購入し 待ち構えていましたが、当日は朝から雨 ・ ・ ・ 。
雨模様だった品川でも 午前11時過ぎ、分厚い雲の切れ目から三日月状の太陽が 何回か 姿を見せてくれました。
屋上では 集まった 社員から歓声や拍手が上がり、 「 あきらめず見いて よかった 」 と、若人たちと一緒に感動にひたりました。 ブラボー !
( 折角買った 遮光板 は必要ありませんでしたが ・ ・ ・ )
  次回 2035年9月の 「 皆既日食 」 にも遭遇したいものです ?

右写真 : 早くから準備した 「 遮光板 」 です。   ( 2035年まで大事に保管しましょう )


○ 宇宙からの日食 ○

宇宙から地球を見ると、地球上に月の影が映っている様子が観測できるそうです。
22日には、成層圏に近い高度約1万3500メートルから、気象衛星「ひまわり7号」で 地球上を 月の影が、インドから中国を経て移動し、 鹿児島県のトカラ列島、や奄美大島北部などを 通過し、太平洋に抜ける様子が、画像ではっきり見ることができました。

那覇市では たった6分間で、気温が1.5度下がり、皆既状態となった奄美大島の名瀬では 1.1度下がりました。

右写真 : 地球上に月の影が映っている様子が確認できます。


○ 外国の日食 ○

世界で最初に皆既日食が 始まったのはインドでした。  昔から 日食は胎児に悪影響がある として、 妊娠している女性は外出禁止でした。
その他、 ブータンやミャンマーなどでも皆既日食は観察されました。

中国で日食を観測した人は4億人を超えると言われています。 そして、日食が消費ブーム に火をつけ 経済回復に貢献したと言われています。
自治区銀川では、モスクのミナレットと日食が重なる珍しい現象で、 都市の知名度を 上げ 予想以上の日食効果を生んだそうです。

右写真 : 「 しっかり遮光板を着用した人々 」 と 「 ミナレットが重なった日食 」 です。


○ 気になる日食 ○

@ 甲子園球児たち
  地方大会では、6基の照明を点灯し 終了時まで続けました。
A お相撲さんたち
  愛知体育館前で、観察用グラスをかけて日食を見る力士です。
B 食い倒れ太郎
  延命した太郎さんも観察用グラスをつけてもらいました。
C オットセイ 
  遊園地のオットセイ君も遮光板を着けて 「 ハイ ポーズ ! 」

各地で報道された中から 「 気になった日食 」 を取り上げてみました。

右写真 : (左上) @球児たち、 (右上) A力士たち、 (左下) B食い倒れ、  (右下) Cオットセイ です。


ヘロドトスの 「 歴史 」 に、日食に驚いて戦争をやめた話が出てくる ・ ・ ・ (略) ・ ・ ・
硫黄島から届いた黒い太陽と輝けるコロナの図には思わず息をのんだ ・ ・ ・ (略) ・ ・ ・
かつて戦争をやめさせるほどの力を持った日食である ・ ・ ・ (略) ・ ・ ・
次に皆既日食が見られるのは26年後。 そのころ、人は天空を見上げて何を顧みるだろう。
  ( 日経新聞 ”春秋” より抜粋 )


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