正月3日、日経新聞に、畠中 光享氏の描く 「 曙光をあびて 」 というスケッチ
( 右絵画 ) が掲載されていました。
その絵は 魅力的な女性が太陽に向かって、何か祈るように両手を差し伸べている
素晴らしい作品でした。
私には 女神のようなひとが 地球上の生物たちの幸せを天空に願っているように
思えました。
曙光 ( しょこう ) について、辞書で調べると
「 夜明けに、東の空にさしてくる太陽の光。暁光。 」 とありました。
この希望の光を思う存分浴び、幸せな2008年を迎えようではありませんか ! !
古く万葉の時代においては、この 「 曙光 ( しょうこう ) 」 のことを
「 かぎろひ 」 と表現したようです。
タイミング良く、 1月7日(火)から 同じ新聞に 「 万葉のこころ 」 というコラム
が掲載され、7日、8日と2日間に亘って 「 曙光 」 と 「 かぎろひ 」 について
紹介されていました。
◎ 「 曙 光 」
東(ひむかし)の 野に かぎろひ の たつ見えて
返り見すれば 月かたぶきぬ
「 柿本 人麻呂 」
この有名な歌は、軽皇子が阿騎野(奈良県:旧大宇陀町)において狩猟を
された情景として、 万葉集 巻1 で 人麻呂が詠んでいます。
この歌を 口語文で表わすと
「 東の野には 曙の光 のさしそめるのが見えて、
西を振りかえると月が傾いて あわい光をたたえている。 」 となります。
右写真 :
この絵画は 人麻呂の歌 ( 上記 ) を忠実に検証して、1940年に描かれた
中山 正実画伯の作品 「 阿騎野の朝 」 です。
冬の早朝の風景は、焚き火、弓、背負った えびら(矢の入れもの)、
猟犬、そして鷹匠のような人、中央には騎馬の軽皇子の姿。 まさにこれは
曙光と月 が同時に東西に見える時の 「 阿騎野 」 を詠った万葉の情景ですね。
◎ 「 かぎろひ 」
1997年、画家:工藤甲人氏も人麻呂の歌を題材に 「 炎 ( かぎろひ ) 立つ 」
を制作しました。
この作品は、同じ題材である 「 阿騎野の朝 」 と全く異なり、自由に幻想的に
人麻呂の歌を描いています。
どうぞ ゆつっくり ご鑑賞下さい。
右写真 :
この絵画は 人麻呂の歌(上記)を 忠実に検証した市川氏の作品と違って、その
情景を 内面的に表現しているようです。
絵には万葉集に よく詠まれている ゼンマイ、 ワラビ そして、古代における高貴な
色 紫色の ムラサキケマン、 エンレイソウ が描かれ、そして 中央で飛翔する
一匹の蝶は、東西の世の中を見通す 軽皇子を表現しているのでしょうか ?
私の思いは
我が社が 年頭の経営計画を必達し 次世代の企業活動の礎となる年に成ること
を目標に 全力を尽くします。
東西世界を見通すトップとともに、全社員が 「 革新 」 をスローガンに、努力と
協力により 新生体制を構築した暁には、あの女神の御力による 「 曙 光 」
が降り注がれることでしょう。 ブラボー ! !